園内を歩くと、まるで中部地方の自然を凝縮した絵巻物を紐解いているような感覚に陥る。源流を模した「築山」から勢いよく湧き出る水は、渓流を下り、大海原に見立てた広大な池へと注ぎ込む。このダイナミックな水の流れこそが、空間全体に生命力を与えている要素だ。
特に眼を引くのは、水面に映り込む四季のコントラスト。春にはシダレザクラがピンク色のカーテンのように揺れ、初夏には青々とした新緑が水面を深く染め上げる。綿密に計算された配置でありながら、人間の作為を極限まで感じさせない仕掛け。それこそが、何世代にもわたって継承されてきた職人たちの美意識に他ならない。