日本全国に約八万社ある神社の頂点に君臨するのが、三重県伊勢市に鎮座する伊勢神宮だ。我が国の総氏神とされる天照大御神を祀るこの地は、古来より人々の精神的支柱であり続けてきた。
神道の根底には「私利私欲の祈り」ではなく「感謝と誓い」がある。伊勢神宮の正宮(しょうぐう)においては、個人的な願い事をするのではなく、日々の平和や命の営みに対する感謝を捧げるのが古くからの習わしだ。願い事は個人的な祈願を受け付ける別宮で行うのが筋とされている。
「神様にお願い事をする」という受動的な態度から、「生かされていることに感謝し、自ら前向きに生きる誓いを立てる」という主体的な姿勢へ。この意識の転換こそが、神道の深い叡智であり、結果としてその人の運勢や人生の潮目を大きく変える原動力となる。