いま、世界的な映画界の潮流においてもミニシアターの果たす役割が再認識されている。カンヌ国際映画祭の常連である是枝裕和監督の初期作品や、アカデミー賞を制し国際的な絶賛を浴びた『ドライブ・マイ・カー』のような作品も、元をたどれば多様な表現を受け止める各地のミニシアターがその土壌を育んできた。
確かに、現代はNetflixやU-NEXTといった動画配信サービスを開けば、数万本のコンテンツに一瞬でアクセスできる時代だ。しかし、整えられた室温、匂い、見知らぬ隣人の息遣い、そして巨大なスクリーンがもたらす集団的没入感は、リビングのソファでは決して味わえない。ストリーミングで映画の面白さに目覚めた若者が、最終的にこうした劇場へと行き着く現象が起きているのも納得がいく。