平成のドラマシーンを語る上で、井上真央の名を外すことはできない。少女漫画のヒロインを見事に体現し、国民的な人気を確立した彼女だが、その後のキャリア構築は見事の一言に尽きる。アイドル的人気に甘んじることなく、単発のドラマや重厚な映画作品、さらにはNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の主演など、難易度の高い役に果敢に挑んできた。
歳月を重ねるプロセスそのものを自身の強みへと変えていく。役柄の痛みに寄り添う繊細な表情、セリフのない一瞬の間で見せる感情の揺らぎ。30代後半を迎えた今の彼女には、若い頃にはなかった人間の深みが宿っている。