巨大マグロといえば、青森県大間港の名を思い浮かべる人が多いはずです。荒れ狂う津軽海峡で繰り広げられる巨大マグロの一本釣り(大間)は、命を落としかねない危険と隣り合わせの真剣勝負です。
300キロの獲物が針にかかれば、電気ショッカーで気絶させるまでの数時間、船ごと引きずり回される死闘が展開されます。巻き上げ機がうなりを上げ、糸が切れるか体が吹き飛ぶかの瀬戸際を制した者だけが、港へ凱旋することができます。
では、見事に数百万〜数千万円のマグロを釣り上げた際、マグロ漁師の取り分と手取りはいくら残るのでしょうか。市場での落札価格がそのまま漁師の懐に入るわけではありません。
まず、地元漁協への手数料(約3〜5%)、卸売市場の手数料(約5.5%)、さらに出荷にかかる運送費や保冷用氷代が差し引かれます。手元に残る金額は売上の約80〜85%程度です。仮に500万円で競り落とされた場合、漁師の手元には約400万円前後が入る計算になります。
さらにそこから、1回の出港で数十万円単位で消費する重油代、高額な漁具の減価償却費、船のローン返済、そして個人事業主としての所得税や住民税(高額所得時は最高税率が適用)が引かれます。「一攫千金」の夢がある一方で、数カ月間ボウズ(水揚げゼロ)が続くリスクも背負っており、手元に残る利益は過酷なギャンブルの対価ともいえます。