チャートの上位を独占し、数万人規模のスタジアムを満員にしていた人気バンドたちが、なぜ絶頂期に活動休止や解散という道を選んだのでしょうか。そこには、CDバブル期特有の過密なスケジュールと商業主義への葛藤が存在していました。
年間数枚のシングルとフルアルバムのリリース、それに伴う全国ツアーの連続は、アーティストの精神と肉体を極限まで追い詰めました。ポップでキャッチーなヒット曲を求めるレコード会社やマネジメント側の要求と、バンド自身が追求したい実験的・重厚な音楽性とのギャップは、次第にメンバー間の亀裂を生む要因となります。
代表的な事例がJUDY AND MARYです。革新的なポップ・パンクで頂点を極めたものの、音楽的イニシアチブを巡る意見の衝突や長期にわたる過密日程による疲弊が重なり、名盤『WARP』の完成とともに2001年に解散を迎えました。また、THE YELLOW MONKEYもスタジアムクラスの成功を手にした一方で、表現の極限に達したことでメンバー間に見えない溝が生じ、2001年の活動休止(のちに2004年解散、2016年奇跡の復活)へと至っています。
さらに、作詞作曲のクレジットに伴う印税収入の格差や、オリジナルメンバーの相次ぐ脱退劇など、急激に巨大化したビジネスの歪みがバンドの人間関係を蝕んだケースも少なくありませんでした。