子どもの足裏にほくろを見つけて取り乱す保護者は非常に多いですが、小児医療の現場データでは結論が明確に出ています。思春期前の小児における足裏メラノーマの発症率は極めてゼロに近く、大半は成長に伴って現れる先天性または後天性の良性母斑です。子どもの身体が成長するにつれてほくろの面積も比例して拡大するため、「大きくなった」と慌てる必要はありません。ただし、急激な隆起や出血がある場合は、念のため小児皮膚科での診察が推奨されます。
実際に成人が皮膚科を受診した場合、どのような検査と治療が行われるのか。現場の診断・治療フローと費用感を整理します。
受診時の第1選択となるのが「ダーモスコピー検査」です。病変部に専用ジェルを塗り、特殊な偏光拡大鏡(ダーモスコープ)を密着させて観察します。皮膚の浅い層から真皮上層までのメラニン分布を数十倍に拡大して可視化する検査で、痛みは一切なく、数分で完了します。健康保険が適用され、診察料を含めた窓口負担は3割負担で数百円〜1,500円程度です。熟練した日本皮膚科学会認定専門医であれば、この検査のみで良悪性を95%以上の精度で鑑別できます。
ダーモスコピー検査でメラノーマが強く疑われる、あるいは境界がグレーで確定診断がつかない場合は、外科的切除による病理組織検査(生検)へと進みます。
足の裏のほくろ除去手術は、局所麻酔下で病変部を完全に取り除き、縫合します。足裏は皮膚の緊張が強く、体重がかかる部位であるため、レーザー治療ではなくメスを用いた完全切除術が医学的原則です。悪性が疑われる病変に中途半端なレーザー照射を行うと、病理診断ができなくなる上に腫瘍を刺激するリスクがあるためです。
手術費用は、病理検査を含めて保険適用(3割負担)で約10,000円〜25,000円前後(病変の大きさや部位により変動)が標準的です。手術当日から歩行は可能ですが、体重がかかると創部が開く恐れがあるため、抜糸までの約10日〜14日間は過度な運動を避け、かかと歩きやクッション材を用いた保護が求められます。