ネット上の情報やSNS動画の中には、「カニは凍ったまま切ると身が崩れない」という誤った言説が見受けられます。しかし、これは包丁の刃こぼれや指の切断事故を招く極めて危険な行為です。
カニの細胞組織は、凍結状態で無理な圧力をかけると粉砕され、解凍時に旨味成分(アミノ酸やグリシン)を含んだエキスが大量のドリップとして流れ出てしまいます。どんなに高級な越前ガニや松葉ガニであっても、下処理前の解凍手順を間違えればパサパサの出がらし状態になってしまいます。
失敗しない冷凍カニの解凍方法
カニを最高の状態でさばくための解凍基準は以下の通りです。
- ボイル冷凍カニ:乾燥防止のため新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫内で18〜24時間かけてじっくり解凍します。完全に溶かしきるのではなく、「芯がわずかに凍っている8分目解凍」の状態でハサミを入れるのが、ドリップを出さず身を綺麗に保つ秘訣です。
- 生冷凍カニ:生カニは解凍に時間をかけすぎると酸化して身が黒ずみます。表面の氷の膜(グレーズ)を水道水でサッと洗い流した後、ポリ袋に入れて密閉し、冷水または流水に15〜20分浸して急速解凍します。中心がやや固い段階ですぐに調理へ移行してください。
電子レンジでの急速解凍や、熱湯を直接かける行為は、タンパク質が急激に変性して身がゴムのように硬化するため絶対に避けてください。