日本の国道網の原点である日本橋の上に、無骨な首都高速道路が覆いかぶさったのは1963年のことだ。東京オリンピックに向けた突貫工事の象徴であったそのコンクリートの蓋が、いまや半世紀以上の時を経て撤去されようとしている。
東京都と主導的な事業者たちが共同で進めるこのインフラ刷新事業は、2026年に大きな節目を迎えた。地下に新たな坑道を掘り進め、高架橋を段階的に撤去していく作業は、まさに精密な外科手術を思わせる。日本橋川の水面に光が差し込み、かつて浮世絵に描かれたような開かれた景観が徐々に姿を現しつつある。水辺の風を感じながら散策できるプロムナードの整備が進み、かつて物流の要衝だった舟運の賑わいも新たな観光資源として復活を遂げている。