2011年公開の実写映画版において、本作の評価を決定づけたのが「お父さん」役を演じた名優・西田敏行さんの圧倒的な演技力です。西田さんは、社会からこぼれ落ちていく中年男性の哀哀たる悲哀と、愛犬に向ける底抜けに温かい眼差しを完璧に表現し、観る者の涙腺を決壊させました。
また、物語を追跡する青年・奥津京介役を玉山鉄二さん、道中で出会う少女・川島有希役を川島海荷さんが好演したほか、余貴美子さん、岸本加世子さん、藤竜也さんといった実力派キャストが脇を固め、重厚な人間ドラマへと昇華させています。
そして忘れてはならないのが、主役犬ハッピーの存在です。作中に登場するハッピーの犬種は秋田犬の血を引く白い雑種犬。映画版ではオーディションで選ばれた白犬がハッピー役を務め、お父さんの顔を優しく舐める仕草や、雪の中でじっと待つ健気な表情など、CGでは表現できない本物の命の温もりをスクリーンに焼き付けました。