一方で、ネット掲示板や知恵袋などで「ビションフリーゼは性格が悪い」「急に狂ったように暴れて手に負えない」といった極端な声を目撃することがあります。現場取材と行動分析を進めると、この悪評の背景には「ビションブリッツ(Bichon Blitz)」と呼ばれる特有の生理現象が存在することが判明しました。
ビションブリッツとは、獣医学・動物行動学において「FRAPs(突発性高活動期:Frenetic Random Activity Periods)」と定義される現象です。前触れもなく突如として背中を丸め、耳を寝かせた状態で部屋中を猛烈なスピードで旋回・疾走します。目を見開き、狂気に満ちたように駆け回る姿から「凶暴化した」「性格が豹変した」と初心者がパニックに陥り、ネット上に「大暴れして飼いにくい」という口コミを投稿してしまうケースが後を絶ちません。
しかし、これは攻撃性によるものではなく、体内に蓄積された余剰エネルギーを一気に放出するための無害な生理的放電です。通常は2〜5分程度で自然に収まり、何事もなかったかのように平静に戻ります。この行動を「性格の悪さ」や「しつけの失敗」と混同して叱責してしまうと、かえって犬に強いストレスを与え、本物の問題行動(威嚇や噛み癖)へ発展するリスクがあるため注意が必要です。