不易流行とは?松尾芭蕉の教えとビジネスで勝つ本質と変革の全解剖について徹底解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。

「不易流行」という言葉の語源は、江戸時代前期の俳諧師・松尾芭蕉が晩年にたどり着いた芸術理念にあります。芭蕉自身が直接書物として残したわけではなく、弟子の向井去来(むかいきょらい)が著した俳諧論書『去来抄(きょらいしょう)』によって後世に伝えられました。

『去来抄』には、師である芭蕉の教えとして次のように記されています。

「去来曰く、不易を知らざれば基立ちがたく、変化を知らざれば風新たならず。不易は千古に変らざるもの、変化は一時限りのものなり。この二つを一つに心得べきよし、先師の教へなり」

この教えをわかりやすく紐解くと、以下の2つの柱から成り立っています。

  • 不易(ふえき):時代が移り変わっても決して変わらない、芸術や物事の根本的な本質・普遍的な価値。
  • 流行(りゅうこう):時代の気分や環境の変化に応じて、柔軟に新しさを求め変化し続けること。

芭蕉が名作『奥の細道』の過酷な旅路を通じて見出したのは、「不易」と「流行」は対立する二項対立ではないという真実でした。根本にある真理(不易)に根ざしていなければ表現は薄っぺらになり、一方で絶え間ない新風(流行)を取り入れなければ表現は形骸化して腐敗します。すなわち、「絶えず新しく変化し続けることによってのみ、変わらない本質が維持される」という「不易流行一根(ふえきりゅうこういっこん)」の境地こそが、この言葉の真の由来です。