多くの人が抱く「イヤホンを歩きながら使うと違法になるのか」という疑問に対し、法的な観点から明確に答えるならば、現行の道路交通法において歩行者のイヤホン装着を直接禁止する罰則規定はありません。
道路交通法第4章「歩行者の通行方法(第10条〜第15条)」には、歩道と車道の区別がある道路での歩道通行義務や、信号機の指示に従う義務などが定められています。しかし、ここには「音響機器を装着してはならない」という文言は一切盛り込まれていません。したがって、イヤホンで大音量の音楽を聴きながら歩いていたとしても、警察にその行為だけで現行犯逮捕されたり、反則金(青切符)を切られたりすることはないのが実情です。
ただし、ここに大きな落とし穴が存在します。法律による直接の罰則が存在しないからといって、「完全に合法で何のリスクもない」わけではありません。後述するように、各自治体が定める安全対策関連の条例や、事故に遭遇した際の民法上の不法行為責任(過失相殺)において、イヤホン装着は著しく不利な要因として扱われます。