買ってきたばかりのブロッコリーに水道水をかけると、水滴が玉のようになってコロコロと弾き飛ばされる光景を目にしたことがあるはずです。一見すると「残留農薬やワックスが塗られているのでは」と不安に感じる人も少なくありませんが、この撥水性の正体は植物自身が分泌する「ブルーム(果粉)」と呼ばれる天然のロウ成分です。
ブルームは、雨水や過剰な湿気から身を守り、内部の水分蒸発を防いで鮮度を保つための自己防衛システム。人体には完全に無害な物質ですが、この強力なコーティングがあるせいで、一般的な流水洗いでは密集したつぼみの奥まで水が全く浸透しません。
さらに、ブロッコリーの頭部は数千個もの小さなつぼみがギュッと固まっています。畑で栽培されている間に、風で運ばれた細かな砂埃や土、アブラムシなどの小さな害虫がこの隙間に入り込むと、表面をいくら水で流しても外へ出てこられない構造になっているのです。