歯科矯正の抜歯基準「アーチレングスディスクレパンシー」計算式と真相の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。

アーチレングスディスクレパンシー(Arch Length Discrepancy:略称ALD)とは、日本語で「歯列弓長径と歯冠近遠心幅径の不調和」を意味します。噛み砕いて言えば、「歯が並ぶための顎のスペース(受け皿)」と「そこに収まる歯の大きさの合計」との間に生じているサイズのズレのことです。

映画館や電車の座席をイメージしてください。幅の狭いベンチシート(顎の骨)に対して、大柄な人たち(大きな歯)が無理に並んで座ろうとすると、肩がぶつかり合って前後に押し出されてしまいます。これがまさに、歯が重なり合って生じる叢生(そうせい・乱杭歯)の発生メカニズムです。

逆に、座席の幅に対して座る人の体格が小さすぎると、座席の間に不自然な隙間が生まれます。これが空隙歯列(すきっ歯)の状態です。歯並びの乱れは本人の生活習慣だけでなく、遺伝的な顎骨の大きさと歯のサイズバランスによって生じる構造的な問題が根底にあります。