組織の末端を支える一般信徒の日常生活に目を向けると、活動の様相はさらに鮮明なコントラストを見せます。キーワードとなるのが、法座と座談会・折伏の違い、そして勧誘方法と布教活動の実態です。
創価学会の地域コミュニティの中心は「座談会」です。地区ごとに信徒が集まり、日々の勤行・唱題によって生活上の苦境や病気を乗り越えた「功徳の体験談」を発表し合います。幹部による激励や聖教新聞の学習を通じて結束を強め、「勝利への決意」を固める前進の場です。布教活動である「折伏(しゃくぶく)」は、相手の誤った信仰観を論理と熱量で打ち砕き、正法に目覚めさせるという強い能動性を持ちます。かつての強引な手法は批判を浴びて是正されたものの、友人関係の信頼を深めながら聖教新聞の購読や選挙での投票依頼(いわゆる「F取り」)を通じて教団活動に巻き込んでいく緻密な組織力は今なお健在です。
対照的に、立正佼成会の日常活動の要は「法座(ほうざ)」と呼ばれる対話集会です。教会堂の畳敷きの広間などで信徒が車座になり、指導的役割を担う「法座主」を中心に語り合います。ここで語られるのは、成功体験ばかりではありません。むしろ「姑との関係がうまくいかない」「息子の不登校に悩んでいる」「夫の浮気に苦しんでいる」といった、家庭内の生々しい悩みや弱音です。参加者は互いの境遇に涙し、法座主から「相手を変えるのではなく、自らの心(我)の歪みに気づく」よう仏教的視点から助言を受けます。現代のグループカウンセリングや心理療法に近い機能を持っています。
立正佼成会における布教は「導き(みちびき)」と呼ばれ、相手を論破する折伏とは異なり、悩みを抱える知人に寄り添い、法座に誘って救済を試みるスタイルを取ります。また、月2回の「一食(いちじき)を捧げる運動(食事を抜いてその分を平和基金に募金する)」など、静かで穏やかな慈善活動が重視されるため、一般社会との摩擦は創価学会に比べて格段に少ないのが実情です。