舞台だけに留まらず、映像作品においても見事な爪痕を残し続けている。北野武監督作品やクエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』をはじめ、国内外の映画で彼が見せるスクリーン上の存在感は絶品だ。セリフがなくとも、画面の隅に立っているだけで作品全体の空気を一変させてしまう重厚さがある。
歴史劇の老将から、現代劇の怪しい悪役、あるいはどこか哀愁を漂わせる老人まで、演じる役柄の幅は実に広い。しかしどの役柄においても、その根底には舞踏で培われた極限の身体コントロールと、長年の経験が醸し出す得体の知れない深みが刻み込まれている。