大阪成人病センターは現在どうなった?移転理由と最新の受診全貌の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

1959(昭和34)年、日本初の成人病対策専門機関として森ノ宮の地に産声をあげた「大阪府立成人病センター」。昭和から平成にかけて、大阪府民にとって「成人病センター」といえば、がんや脳卒中、心疾患といった難病に立ち向かう最高峰の砦でした。しかし、半世紀以上の時を経て、その歴史ある看板は掛け替えられることになります。

大阪府立成人病センターの名称変更の経緯を辿ると、発端は公衆衛生における用語の変遷にあります。1996年、当時の厚生省が「加齢によって不可避に発症する」というニュアンスを含んでいた「成人病」という呼称を改め、日頃の運動や食生活が関与する「生活習慣病」へと再定義しました。この時点で「成人病」という言葉自体が行政的・学術的に使われなくなりつつあった実情があります。

さらに現場の機能面でも大きな乖離が生じていました。森ノ宮のセンターが担っていた医療の過半は、循環器疾患以上に「悪性腫瘍(がん)」の超高度医療および臨床研究でした。実態と名称の不一致を解消し、国際的ながん治療・創薬研究の拠点であることを国内外へ明示するため、2017年3月の新築移転を契機として大阪国際がんセンター(Osaka International Cancer Institute: OICI)へとリブランディングが決断されたのです。

また、大阪成人病センターの移転理由として極めて重かったのが、森ノ宮本院の物理的限界でした。築50年を超えて耐震性や設備の陳腐化が深刻化し、最新鋭の放射線治療装置や手術支援ロボットを増設するスペースが枯渇。患者のプライバシーに配慮した個室拡充や感染症対策を施すには、現地改修ではなく、府庁周辺のまとまった都有地(旧大阪府立大手前病院・看護専門学校跡地など)への全面移転が最も合理的であると判断されました。