「ダイエーという企業は、このまま生き残り続けられるのか」という問いに対し、流通業界のアナリストたちは「かつての総合スーパー(GMS)としては役割を終えたが、都市型食品スーパーとしての再生基盤は着実に固まりつつある」と評価しています。かつて3兆円もの年商を誇った巨大企業は、過去の負の遺産を完全に精算し、まったく別の事業モデルへと変貌を遂げました。
この大転換の決定打となったのが、2015年に完了したダイエーのイオン完全子会社化です。イオンの傘下に入ったことで、ダイエーは単独での生き残りを模索する段階から、巨大流通グループにおける「首都圏および近畿圏のドミナント(高密度多店舗展開)を担う中核部隊」へと明確に位置づけ直されました。グループ共通のインフラや調達網を共有することで、単独経営では到底耐えられなかった物流コストの高騰や仕入れ価格の上昇リスクを大幅に低減させています。
ダイエー経営状況の現在に目を向けると、長期にわたる構造改革の痛みを経て、着実に体質改善が進んでいます。同社が掲げるダイエー黒字化戦略の柱は、徹底した「食品特化」と「都市型小商圏への適応」です。衣料品や住居関連品を大量に並べる旧来の総合スーパーモデルを捨て、毎日の食卓に直結する生鮮食品・デリカ(惣菜)・簡便食に経営資源を集中させることで、粗利益率の底上げに成功しています。
もちろん、人口減少やドラッグストアの食品侵食、ディスカウントストアとの競合など、取り巻く環境は決して楽観できません。それでも、イオンという強大な資本の盾と、首都圏・京阪神の一等地に長年根付いてきた店舗網の価値は極めて高く、経営破綻による突然死のリスクは実質的に排除されたと捉えるのが妥当な見方です。