単なる居を構えるだけでなく、自身の専門性を活かしたキャリアの追求も着実に進められてきた。渡米後、世界最高峰の美の殿堂として知られるメトロポリタン美術館(MET)において、ボランティアやリサーチの形で日本美術部門の活動に関わってきたことは記憶に新しい。彼女が大学時代から積み重ねてきた美術史の知見や博物館学の専門知識は、世界屈指のコレクションを誇る同館の現場でも高く評価されている。
特に日本画や仏教美術に関するリサーチ業務において、専門的なバックグラウンドを持つキュレーターたちと対等に議論を重ねる姿が目撃されている。単なる名誉職ではなく、一研究者として作品に向き合う誠実な態度は、美術館関係者の間でも確かな信頼を獲得した。アートの世界で培われた自立の精神は、彼女のニューヨーク生活をより豊かで芯のあるものへと深めている。