甲殻類アレルギーの主犯格となるタンパク質は「トロポミオシン」と呼ばれます。この物質は筋肉の収縮に関わるタンパク質で、無脊椎動物の間で構造が非常に似通っているため、別の生物種であっても免疫システムが「敵」と誤認して攻撃を仕掛ける現象が起こります。これがトロポミオシンによる交差反応です。
この交差反応により、エビ・カニにアレルギーがある人は、イカやタコ(軟体動物)、アサリ・ホタテ・カキ(貝類)に対してもアレルギー反応を示す確率が高まります。研究機関のデータによると、甲殻類アレルギー患者の約15〜20%が貝類や頭足類に対してもアレルギー症状を発現すると報告されています。
近年、持続可能なタンパク源として流通が拡大しているコオロギやミールワームなどの昆虫食も最大の警戒対象です。昆虫は生物分類学上で甲殻類と同じ「節足動物門」に属しており、筋肉中にエビ・カニと極めて相同性の高いトロポミオシンを大量に含んでいます。消費者庁やアレルギー学会からも「甲殻類アレルギーを持つ人は昆虫加工食品の摂取を控えるべき」との公式な注意喚起が出されています。