「半身浴が手軽にできるから」という理由でエコベンチ浴槽を選ぶ人は多いですが、ここにも生活習慣の落とし穴が存在します。日本の伝統的な入浴文化において、多くの人は「肩までしっかりお湯に浸かって温まる全身浴」を求めています。
エコベンチ浴槽で肩まで浸かろうとすると、ステップのない深い側へ体を滑り込ませる必要があります。しかし、そうすると今度は膝を深く曲げざるを得ず、体育座りに近い姿勢を強いられます。さらに、段差部分にお湯の体積がないため、浴槽全体のお湯のかさが低く、「半身浴をするつもりがない日でも、肩が冷えて温まりきらない」というストレスに繋がります。
また、見落とされがちなのが「子育て期間の短さ」です。「子どもが小さいうちは段差に座らせて安全に入浴できる」という動機でエコベンチを採用するケースが極めて多いですが、子どもが親と一緒に入浴し、ステップを必要とする期間はせいぜい4〜5年程度です。子どもが成長して一人で入るようになった後の15年以上は、大人だけがその浴槽を使い続けることになります。「子育て期の一時的な利便性」のために長期的な快適性を犠牲にしていないか、時間軸を広げて検証することが重要です。