浴室清掃における最大の盲点とされているのが、お風呂カビ胞子拡散理由のメカニズムです。住居衛生研究所および微生物学的調査データによると、天井に付着したわずか1平方センチメートルの黒カビ(クラドスポリウム属など)から、1日あたり数百万から数千万個の胞子が空気中へ放出されていることが確認されています。
温かい湯気の上昇気流に乗って天井に定着したカビ菌は、結露や湿気を栄養源として急速に増殖します。その後、乾燥時や気流の変動に伴って天井から浴室の床面、壁面、シャンプーボトル、排水口へと自由落下を繰り返します。これが、いくら下回りを入念に除菌しても数日で黒ずみが再発する根本的なカラクリです。
さらに見過ごせないのが天井カビ放置リスクです。カビ胞子が高密度で滞留する浴室で日常的に深呼吸を繰り返すと、気管支喘息や夏型過敏性肺炎、アレルギー性鼻炎といった深刻な呼吸器疾患を誘発する恐れがあります。また、カビの菌糸が建材の深部まで侵食した場合、一般的な表面清掃では除去不能となり、退去時やリフォーム時に数十万円規模の天井板張り替え費用が発生するケースも報告されています。