歌舞伎町のヤクザ事務所は現在どうなった?撤退の真相と最新治安とは一体何なのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

かつて歌舞伎町の暴力団事務所の場所といえば、区役所通り沿いの雑居ビル、花道通り周辺、あるいは職安通りに近い歌舞伎町2丁目のマンション群がその典型でした。1990年代初頭の警察資料によると、歌舞伎町エリア内だけでも大小合わせて数十箇所におよぶ組事務所や連絡所がひしめき合い、縄張り争いや小競り合いが日常茶飯事として起きていたのです。

長年歌舞伎町でバーを経営する古参オーナーは、当時の異様な光景を手記のように振り返ります。「当時はどの雑居ビルにも『〇〇興業』『〇〇商事』といった看板を掲げた事務所が入居しており、夕方になれば黒塗りの高級車が平然と横付けされ、組員が威圧的に周囲を睨みつけていた。トラブルが起きれば警察よりも先にそうした事務所に話を通さざるを得ない空気が街全体を支配していた」と証言します。

しかし、現在その多くは完全に姿を消しました。指定暴力団の事務所撤退の理由は単なる自然衰退ではありません。最大の決定打となったのは、暴力団追放運動推進都民センターなどを活用した住民による「事務所使用差し止め請求」と、賃貸借契約における「暴力団排除条項」の完全義務化です。ビルのオーナーに対して組事務所として使用させない法的義務が課され、違反した場合はオーナー自身が勧告や公表の対象となる社会包囲網が完成しました。物理的な拠点を置くこと自体が、組織にとってもビル側にとっても致命的な法的リスクとなった結果、表立った事務所は歌舞伎町から一掃されることになったのです。