更級日記「源氏の五十余巻」解説!少女が后の位より熱狂した理由とはを詳しくリサーチ! 読者が気になる 情報と解説を分かりやすく展開します。

テストや読解で必ず押さえておくべき主要部分の原文と現代語訳を対照して確認しておきましょう。

【原文】
叔母の御もとより、「これ見給へ」とて、御帳・御几帳・筥など、具して奉り給へり。はしるはしる見つづくるに、心も都に移りて、身もあやしうなりぬる心地す。かくて、叔母の御もとに、源氏の五十余巻、櫃に入りながら、ざい・うつほ・芹河・とほの君などやうの物語、添へて取らせ給へり。嬉しさのあまりに、手も震ひぬべし。后の位も何にかはせむ。昼は日暮らし、夜は目の覚めたる限り、灯を近くともして、これを見るより外のことなし。

【現代語訳】
伯母様のもとから、「これをご覧なさい」とおっしゃって、御帳(調度品)や御几帳、箱などを揃えてお贈りくださった。胸を躍らせながら次々と読み進めると、心も都の物語世界へと移っていき、自分の身体も不思議な感覚になるような気持ちがする。こうして、伯母様のもとから、『源氏物語』の五十余巻が、箱に入ったままで、『在五が物語(伊勢物語)』『うつほ物語』『芹河』『鳥の君』といった物語を添えてお贈りくださった。嬉しさのあまり、手も震えてしまいそうだ。皇后の位さえ何になろうか(いや、比べものにならない)。昼は一日中、夜は目が覚めている間じゅう、灯火を近くに灯して、この物語を読むこと以外の何事もない。