ゲノムと遺伝子の違いとは?Dna・染色体の謎を本の例えで完全解説とはどんな影響があるのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

生命の全容を解明する国際プロジェクトとして、1990年に本格始動したのがヒトゲノム計画です。日米欧などが協力し、ヒトの持つ全ゲノムの塩基配列を読み解く作業が進められ、2003年に解読完了が宣言されました。

このプロジェクトによって判明したヒトの塩基配列の総数は約30億塩基対にのぼります。驚くべき発見だったのは、タンパク質を作るための「遺伝子」として機能している領域が、ゲノム全体のわずか約1.5%〜2%(約2万〜2万5000個)に過ぎなかった点です。

かつて残りの約98%は「ジャンクDNA(不要なゴミ)」と呼ばれていた時期もありました。しかし研究が進むにつれ、これらの非コード領域は遺伝子の働くタイミングを制御したり、立体構造を維持したりする極めて重要なスイッチの役割を果たしていることが判明しています。ゲノムを「全集」と呼ぶ理由は、遺伝子以外の調整役も含めた総合システムとして機能しているからです。