広島駅直結の商業施設「ekie」の飲食ゾーンには、いまなお行列が途切れない鉄板の聖域がある。その中心で圧倒的な存在感を放ち続けるのが「みっちゃん総本店」だ。戦後の屋台から始まったとされる広島風お好み焼きの歴史を背負い、キャベツの甘みを最大限に引き出す蒸し焼きの技術はまさに職人芸の極致といえる。
熱せられた巨大な鉄板の上で、極薄の生地にたっぷりのキャベツと豚肉が重ねられ、じっくりと時間をかけて火が通される。パリッと焼き上げられた中華麺と特製ソースが合流した瞬間、立ち上る湯気とともに食欲を刺激する芳香がフロア中に充満する。ヘラを入れて断面を崩さずに口へ運べば、幾重にも重なる素材の旨味が爆発する。長年愛されてきたクラシックな一杯には、流行を超越した説得力が宿っている。