事件の闇が長年放置される中、沈黙を破ったのは被害者自身の声だった。幼少期に姉とともに強制収容され、過酷な地獄を生き延びたサバイバーの韓鍾善(ハン・ジョンソン)氏は、2012年から韓国国会議事堂の前で1人デモを開始した。自身の体験を手記として出版し、誰も触れたがらなかった過去の惨劇を世に知らしめた彼の行動が、止まっていた歴史の針を大きく動かした。
この告発に呼応したのがメディアの調査報道ジャーナリズムだ。特にSBS(韓国放送公社系列の民間放送局)の看板調査報道番組『それが知りたい(SBS)』は、徹底した現地取材と関係者の証言を積み重ね、埋もれていた行政文書や死亡記録の矛盾を白日の下に晒した。近年ではNetflixをはじめとする動画配信サービスでも実話犯罪・ヒューマンドキュメンタリーとして取り上げられ、国境を越えて世界中に衝撃と怒りを広げている。