金と欲望に塗れた怪人、ねずみ男の知られざる誕生秘話と哀しき正体の注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。

アニメ史におけるねずみ男の評価を決定づけたのは、東映アニメーションが制作しフジテレビ系列で放送されたテレビアニメ第1期・第2期で声を担当した名優・大塚周夫の存在だ。大塚が演じたねずみ男は、単なる小悪党にとどまらない底知れぬ哀嬌と、どこか憎めない人間臭さを宿していた。不敵な哄笑、金に目が眩んだ際の上ずった嬌声、そして命乞いの叫び――その変幻自在な怪演がキャラクターの血肉となった。

その後、野沢那智、富山敬、高木渉、古川登志夫といった錚々たる実力派声優たちがバトンを受け継ぎ、各時代の空気感を反映させながら造形を深化させてきた。東映アニメーションの歴代スタッフ陣が「最も動かしやすく、最も描くのが難しい」と口を揃える通り、彼の声の芝居には常に人間の醜さと愛おしさが同居している。