完璧な暗殺コンビネーションを完成させながら、なぜ陰獣の4名は全滅してしまったのか。その原因は戦術のミスではなく、ウボォーギンという怪物の常軌を逸した規格外さにありました。
首から下を完全に麻痺させられたウボォーギンは、首から上の筋肉と念能力だけで反撃を開始します。至近距離にいた病犬の側頭部を凄まじい咬合力で噛みちぎり、脳の一部を咀嚼して即死させました。さらに、吐き出した頭蓋骨の破片を銃弾以上の弾速で撃ち出して蛭の額を貫通。体内に残されたヒルをも自らの唾液と念の力で吐き出させ、蛭を体内破壊で絶命させます。
残された豪猪は恐怖のあまり自身の全身の毛を針にして丸まり防御を固めますが、ウボォーギンが放った全力の「咆哮(大声の衝撃波)」によって至近距離で鼓膜と脳を破壊され圧死。地中に逃れていた蚯蚓も、ウボォーギンの超破壊拳(ビッグバンインパクト)の余波によって地盤ごと粉砕され、瀕死の重傷を負って息絶えました。
あまりにもショッキングな死亡シーンの連続に読者は度肝を抜かれましたが、敗因を冷静に分析すれば、陰獣側の戦術は一切破綻していませんでした。首から上だけで弾丸級の骨飛ばしや鼓膜破壊の咆哮を放てるウボォーギンの筋力とオーラ量が、あまりにも念能力のセオリーからかけ離れていたのです。