黒柳守綱氏は1908年(明治41年)、東京に生まれました。幼少期から卓越した音楽の才能を示し、東京音楽学校(現・東京藝術大学)の教授陣に師事。若くしてその頭角を現すと、日本のプロオーケストラの草分けである新交響楽団(現在のNHK交響楽団)の結成初期から中核メンバーとして参画しました。
指揮者の近衛秀麿氏や名匠ヨーゼフ・ローゼンシュトック氏に認められ、弱冠にしてオーケストラの要であるコンサートマスターに就任。守綱氏のバイオリンは、鋭敏なリズム感と深みのある美しい音色が特徴で、来日した海外の名指揮者たちからも「東洋にこれほどのコンマスがいるとは」と絶賛されました。黎明期にあった日本のオーケストラ演奏のレベルを世界水準へと引き上げた立役者の一人であり、NHK交響楽団の歴史を語る上で欠かせない巨星です。