イチョウは何植物?広葉樹に見えて実は裸子植物!生きた化石の真実についての疑問解決ガイドをご紹介します。

秋の風物詩であるギンナンですが、すべてのイチョウの木になるわけではありません。イチョウは雄花をつける木と雌花をつける木が完全に分かれている「雌雄異株(しゆういしゅ)」の植物です。

ギンナンが実るのは雌木(めすき)だけであり、雄木(おすき)には一切実はつきません。春の4〜5月頃、雄木から放出された花粉は風に乗って数キロメートル先まで飛散し、雌木の胚珠から分泌される受粉滴(じゅふんてき)に付着。その後、秋にかけて内部で精子が形成され、9月頃に受精が完了して成熟します。

「葉の切れ込みで見分ける」は迷信?科学的な雌雄の見分け方

昔から「葉の中央に深い切れ込みがあるのが雄木で、スカートのように切れ込みがないのが雌木」という見分け方が語り継がれていますが、これは植物学的には根拠のない俗説です。葉の形状は日当たりや枝の成長度合い(長枝か短枝か)によって同一の木の中でも大きく変化します。

確実に雌雄を見分ける方法は以下の3点に限られます。

  • 実(ギンナン)の有無:秋にギンナンがなっていれば確実に雌木。
  • 春の花の観察:4月下旬頃、房状の花粉嚢をつけるのが雄花、枝先に小さな球状の胚珠を2個つけるのが雌花。
  • DNA鑑定:若木で花も実もつかない時期は、遺伝子解析を行うことで100%の判別が可能。

なお、私たちが食べているギンナンは植物学上「果実」ではなく「種子そのもの」です。果肉のように見える柔らかい外皮は「外種皮」であり、熟すと酪酸やヘプタン酸といった有機酸を放つため、独特の強烈な異臭を発生させます。