2026年現在、歴史学会で注目を集めているのが「段階的成立論」だ。鎌倉幕府は一夜にしてできたわけではない。東国での実質的な支配権を得た時期、軍事警察権を認められた時期、そして征夷大将軍に就任した時期。これらはすべて、巨大な権力構造が形成されるプロセスの一部に過ぎない。
「1185年か1192年かという二者択一の議論自体が、歴史のダイナミズムを損なっている」と、ある中世史の研究者は指摘する。政治的な枠組みが完成するまでのグラデーションを理解することこそが、中世という時代の本質に迫る道なのだという。