スマートフォンのナビゲーションは便利だが、画面上の案内だけを頼りに歩いていては、旅の真髄を見逃してしまう。たとえばGoogle マップ上では単なる園内通路としか表示されない姫路市立動物園の北側エリアには、城の石垣とフラミンゴの鮮やかなピンクがひとつのファインダーに収まる奇跡のアングルが隠されている。
さらに、園内を流れる内堀沿いには、観光客の喧騒から隔絶された静謐なベンチが点在する。春には桜のトンネル、秋には鮮やかな紅葉が頭上を覆い、歴史の重みと動物たちの穏やかな日常が織りなす絵画のような瞬間に出逢える。こうした名もなき特等席を探し出すことこそ、街歩きの醍醐味といえるだろう。