大容量ボトルの最大の懸念は、開封してから飲み切るまでの衛生状態です。食品衛生の専門機関や大手飲料メーカー各社の検証データによると、2リットルペットボトルの開封後日持ちは中身の種類と飲み方によって劇的に変化します。
最も腐敗が進みにくいとされる純粋なミネラルウォーターであっても、空気中の浮遊菌が混入するため、冷蔵庫(10℃以下)で保存して3〜4日以内が安全圏です。一方で、緑茶や麦茶、紅茶などの茶系飲料は原料由来の糖分やアミノ酸が含まれているため菌のエサになりやすく、冷蔵保存でも2〜3日以内の消費が推奨されます。特に大麦を原料とする麦茶は炭水化物が多く、常温に放置すると半日で細菌数が急増することが実験で確認されています。
さらに致命的なのが「ボトルへの口付け飲み(直飲み)」です。人の口腔内には数百億個の常在菌が存在しており、一度でも口を付けると唾液とともに大量の菌がボトル内へ逆流します。衛生微生物研究所のデータによると、直飲みしたペットボトル飲料を常温(25℃前後)で放置した場合、わずか24時間で細菌数が数百個から数百万個へと爆発的に増殖し、食中毒基準を軽々と突破します。2Lボトルを複数人で共有する場合や数日かけて飲む場合は、必ず清潔なコップへ注ぎ、ボトルの注ぎ口に手が直接触れないよう徹底しなければなりません。
なお、未開封状態における2リットルペットボトルの水の賞味期限は、通常1年から2年程度に設定されています。賞味期限は「美味しく飲める期限」であり、水そのものが腐るわけではありませんが、ペットボトル容器には目に見えない微細な気孔があるため、周囲の強い匂い(洗剤や防虫剤)を吸着して風味が損なわれるリスクがあります。