ブームの根底にあるのは、秋田県伝統食品としての本物の価値だ。囲炉裏の上に大根を吊るし、じっくりと薪の煙で燻製乾燥させてから米ぬかや塩で漬け込む。この過酷で時間のかかる製法を守り続けてきたのが、地元の生産者と秋田県漬物協同組合である。
近年、いぶりがっこは農林水産省の「地理的表示保護制度(GI)」に登録され、その伝統と品質が国家レベルで保護されるようになった。本物のいぶりがっこが放つ奥深い燻香と自然な甘みがあるからこそ、濃厚なチーズを受け止める強靭な土台が生まれる。背景にある職人たちの歴史に思いを馳せると、一口の重みすら変わってくる。