甲子園球場特有の気候条件も、横手投げ投手に追い風を吹かせている。ライトからレフトへ吹き抜ける「浜風」は、右の横手投げが投じるシンカー系の球種をより急鋭く沈ませ、左の横手投げが投じるスライダーをより大きく変化させる効果を生む。
加えて、甲子園の黒土マウンドは試合が進むにつれて足場が掘れ、踏み込み位置の変化によってリリース角度が微小に変わる。この「不規則性」を巧みに利用し、マウンドの使い分けで打者のタイミングをズラす駆け引きは、横手投げならではの熟練の技だ。場内の大歓声が響く中、マイペースに淡々と横から投げ込む姿は、相手チームの勢いを削ぐ特効薬となっている。