人間の睡眠は、深い眠りである「ノンレム睡眠」と、浅い眠りで夢を見る「レム睡眠」が約90分の周期で交互に繰り返されています。金縛りの発生に深く関わっているのが、このうちのレム睡眠です。
レム睡眠中、脳は記憶の整理や感情の処理を行うために活発に働いています。もしこのとき体が自由に動いてしまうと、夢の中の行動(走る、殴るなど)を現実の世界でもそのまま実行してしまい、ケガをする危険があります。そのため、人体には安全装置として「運動神経を遮断し、全身の骨格筋を完全に脱力させる仕組み」が備わっています。
通常は、目を覚ますタイミングで脳の覚醒と筋肉の緊張が同時に復活します。ところが、睡眠のリズムが狂っていると、「脳だけが先に覚醒し、筋肉の麻痺スイッチが解除されない」というタイムラグが発生します。これが金縛り(睡眠麻痺)の正体です。意識はクリアなのに司令塔からの信号が筋肉に届かないため、金縛り特有の金属性の重だるさを感じることになります。