官僚たちの首根っこを掴んだのは、2014年に創設された内閣人事局だった。幹部人事を一手に握られたことで、各省庁の官僚たちは政策の是非ではなく、「官邸に気に入られるかどうか」を行動基準に据えるようになった。異論を唱える優秀な人材は容赦なく冷遇され、忠誠を誓うイエスマンばかりが出世の階段を駆け上がる。その歪んだ評価システムが、霞が関全体の空気を急速に凍りつかせた。
文部科学省も例外ではなかった。教育行政の独立性と中立性を守るべき組織が、政権の意向を先回りして推し量る「忖度マシーン」へと変貌していったのだ。本来であれば国民のために機能すべき専門知が、権力を維持するための道具として消費されていく。この構造的な腐敗こそが、今なお尾を引く行政不信の根源である。