かつて修学旅行生や巡礼者で賑わった石段は今、世界各国から訪れる観光客で熱を帯びている。着物をレンタルして散策を楽しむ若者や、老舗の甘味処で抹茶を味わう家族連れ。日本のインバウンド観光産業を牽引するフロントラインとして、東山一帯はかつてない活況を呈している。
しかし、過密化に伴う混雑やマナーの問題は避けて通れない課題だ。京都市観光協会をはじめとする関係機関は、観光客の分散化や早朝・夜間の観光推進に取り組み、地域住民の生活環境と観光振興の両立を模索している。伝統を守りながら世界を受け入れるという難題に対する京都の実験は、まさにこの坂道から始まっている。