『太陽にほえろ!』伝説の脚本家たちが語る黄金期の秘話と裏設定の注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。

『太陽にほえろ!』を語る上で欠かせないのが、刑事たちの「殉職」というドラマティックな退場劇だ。その先駆けとなったのが、萩原健一演じる「マカロニ」こと早見淳の最期である。実は、この衝撃的な結末は最初から予定されていたものではなかった。降板を希望するキャスト側の意向と、視聴者に最大のインパクトを与えたい制作者側の意図が複雑に交錯した結果生まれた、起死回生の一手だったのだ。

強盗犯でもなく、立ち小便の最中に通り魔にあっけなく刺されるという虚無的な死。この前代未聞のラストシーンをめぐっては、脚本家チームと現場スタッフとの間で激しい議論が戦わされた。美化されたヒーローの死ではなく、生の儚さと日常に潜む唐突な死を描くこと。その挑戦が見事に功を奏し、日本中を震撼させる歴史的名シーンとなったのである。