胸元を大きくはだけ、片手を胸に添えながら腰を鋭くひねる。主人公であるジョルノ・ジョバァーナの立ち姿は、一度見たら忘れられない残像を脳裏に刻む。この独自のポージングの原点は、イタリア・ルネサンス期に花開いた巨匠ミケランジェロ・ブオナローティらの彫刻作品にある。
作者の荒木飛呂彦はルーヴル美術館やイタリア各地を巡り、古典彫刻が持つ「コントラポスト(重心を片足に寄せることで生まれるS字ライン)」の技法を極限まで誇張した。直線的になりがちな少年の肉体に、女性的なしなやかさと神話的な威厳を同居させる。あのポーズは単なるキメ顔ではなく、静寂の中で筋肉が張り詰める瞬間を切り取った極限のアートなのだ。