巨大地震の横揺れでビルが折れる?最新データが示す都市崩壊の真相の詳細について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

建築物を襲う物理的負荷のなかで、水平方向の歪みほど厄介なものはない。建物は自重を支える鉛直方向の力には強い構造を持つ。しかし、横からの力——すなわち剪断応力(シェアシフト)に対しては極めて脆弱だ。

東京大学地震研究所がまとめた最新の観測データによれば、地震波のうちS波がもたらす横振動は、鉄骨や強化コンクリートの接合部に不可逆的な金属疲労と微細な亀裂を一瞬で注入する。P波が建物を下方から「突く」波だとすれば、S波は建物を「左右に引きちぎる」波だ。この強力なせん断力が基礎部分と上部構造の間に壊滅的な乖離を生み出す。