効果的な保存法を実践する前に、そもそも缶の炭酸はなぜ抜けるのかという根本的な理由を整理しておく必要があります。液体に気体が溶け込む現象には「ヘンリーの法則(気体の溶解度は圧力に比例し、温度に反比例する)」が働いています。
未開封の炭酸缶の内部は約2〜3気圧もの高圧で封入されており、二酸化炭素が限界まで液体に溶け込んでいます。しかし、プルトップを引き上げた瞬間に内部の気圧は大気圧(1気圧)まで一気に急降下します。気圧が下がると液体の中に炭酸ガスを留めておく力が弱まり、ガスが気泡となって空気中へと逃げ出してしまうのです。
さらに見落としがちなのが液体の温度変化です。炭酸水は液温が上がれば上がるほど二酸化炭素を保持できなくなります。冷蔵庫から取り出してテーブルの上に放置しているわずか10分〜15分の間にも温度は上昇し、炭酸の脱落は猛烈なスピードで加速します。つまり、炭酸をキープするためには「開口部を塞いで内圧を逃がさないこと」と「徹底的に低温を維持して振動を与えないこと」の2点が絶対条件となります。