健康意識の高い読者が最も懸念するのが「海外から輸入されるキウイの皮に、残留農薬や防かび剤が染み込んでいないか」という点です。インターネット上では「農薬の危険があるから皮は絶対に剥くべき」という言説も散見されますが、実際の流通実態はどうなのでしょうか。
厚生労働省の検疫所によるモニタリング検査および輸入食品安全対策資料によると、日本へ輸入されるキウイフルーツ(主にニュージーランド産など)は、日本の極めて厳しいポジティブリスト制度(残留基準値)を厳格にクリアして流通しています。さらに、主要輸入元の生産現場では、収穫前の計画的農薬管理(GAP認証農場)が徹底されており、収穫後の防かび剤(ポストハーベスト)の使用は原則行われていません。水溶性の付着物や微小なホコリは流水による30秒程度の丁寧なもみ洗いで大半が洗い流せるため、キウイ残留農薬の真相としては「流水洗浄を行えば皮ごと食べても健康危害のリスクは極めて低い」というのが公的基準に照らした客観的事実です。
一方で、見逃してはならないのがキウイ皮ごと食べるデメリットと消化への影響、そしてキウイアレルギーと舌のイガイガです。皮には硬い不溶性食物繊維が大量に含まれているため、一度に複数個を摂取したり、胃腸の消化能力が低下しているタイミングで食べたりすると、胃もたれや腹痛、下痢を引き起こすトリガーになり得ます。
また、キウイには「アクチニジン」と呼ばれる強力なタンパク質分解酵素が含まれています。この酵素は肉料理を柔らかくする作用がある反面、口腔内の粘膜を刺激するため、皮周辺を多く食べることで「舌がピリピリする」「喉の奥がイガイガする」といった不快感が生じる場合があります。特に花粉症(カバノキ科など)やラテックス(天然ゴム)のアレルギーを持つ人は、口腔アレルギー症候群(OAS)を併発するリスクがあるため、唇の腫れや喉の痒みを感じた場合は直ちに喫食を中止しなければなりません。