「口臭は胃から」の真相|消えない酸っぱい臭いの原因と治し方の全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。

胃由来の口臭の中でも、病理学的に放置が危険視されるのがピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)感染と、それに付随する胃炎・胃潰瘍です。

ピロリ菌は、強酸性の胃内環境を生き抜くために「ウレアーゼ」という特殊な酵素を分泌します。この酵素が胃の中の尿素を分解して「アンモニア」を作り出し、自身の周囲をアルカリ性のバリアで包み込んで胃酸を中和します。このとき副産物として大量に作られるアンモニアこそが、特有のツンとする刺激臭の発生源です。

ピロリ菌感染を長年放置すると、胃粘膜が徐々に薄くなる「萎縮性胃炎」へと進行し、さらに悪化すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍、最悪の場合は胃がんのリスクを高めます。潰瘍が形成されると、傷口からにじみ出た血液や剥がれ落ちた細胞組織が胃酸によって酸化・分解され、生臭い、あるいは鉄錆のような独特の腐敗臭を放つようになります。

「市販の胃薬を飲んでも胃痛やもたれが繰り返される」「吐息から尿や薬品のようなアンモニア臭がする」と感じる場合は、単なる体調不良と片付けず、早急な病理学的アプローチが求められます。