プロの生産農家がきゅうりの収穫を早朝に限定して行うのには、植物生理学に基づいた明確な科学的理由が存在します。きゅうりの収穫時間帯は早朝(日の出直後から午前7時前後)が最も適しています。
きゅうりは約95%が水分で構成されています。日中、葉から盛んに水分を蒸散させながら光合成を行い、葉で作られた炭水化物(糖分)は夜間に果実へと転流・蓄積されます。さらに夜間は根から地中の水分を活発に吸い上げ、果実の中にみずみずしい水分をパンパンに満たしていきます。
つまり、気温が上がり始める前の早朝こそが、糖度と水分含有量がピークに達した状態なのです。このタイミングで収穫したきゅうりは、包丁を入れた瞬間に果汁が弾け、パリッとした最高の歯ごたえと甘みを楽しめます。
反対に、直射日光を浴びた昼過ぎや夕方に収穫すると、日中の蒸散によって果実内の水分が失われ、果肉がゴムのように軟化してしまいます。さらに果実自体の温度(品温)が高いため呼吸活性が上がり、収穫後の鮮度低下やエグみの発生を早める原因となります。家庭菜園であっても、収穫は必ず出勤前や朝の涼しい時間帯に済ませるのが鉄則です。