かつて小泉今日子が長年所属していたバーニングプロダクションをはじめ、日本のエンタメ界は巨大な芸能プロダクションがキャスティングや制作のイニシアチブを握る時代が長く続いてきた。安定したメディア露出や資金調達と引き換えに、表現の自由度や企画の決定権が制限されるケースも少なくなかったのは公然の事実だ。
豊原功補と小泉今日子が選んだのは、その安住の地を飛び出し、表現者としての純度を最優先する茨の道だった。資本の論理や事務所のパワーバランスから解き放たれ、自分たちが本当に世に問いたいテーマをゼロから形にする。二人の決断は、同世代の役者や若手クリエイターたちにとっても、大きな勇気と明確な選択肢を示すことになった。