長年、日本の農業界で親しまれてきた故・板木利隆氏の教えには、家庭菜園でも応用可能な催芽の知恵が詰まっている。プロの農業の現場が秘伝とする芽出しの裏ワザは、湿度の維持と保温のバランスにある。
最も確実な手法は「濡れもみ殻」または「バーミキュライト」を活用した保温床の作成だ。トロ箱(発泡スチロール箱)の底に穴を開け、湿らせた資材で種芋を包み込む。箱の上部をビニールで覆い、日当たりの良い室内や温室に置くことで、内部の水分を保ちながら高温を維持できる。
水を与えすぎないことも重要だ。種芋自体に十分な水分と養分が蓄えられているため、過剰な水やりは腐敗の最大の原因となる。触ってほんのり湿り気を感じる程度の湿度を保つことが、引き締まった健康な芽を育てる秘訣だ。