ここに至る道のりは平坦ではなかった。「羽田空港第2ターミナル国際線施設拡充プロジェクト」は、本来なら2020年の東京五輪に合わせて華々しくデビューするはずだった計画だ。しかし世界的なパンデミックの直撃を受け、オープンからわずか数週間で国際線エリアの閉鎖という憂き目を味わった。
この苦境を乗り越え、段階的な再開を経てついにフルスペックの運用体制を整えた。ANAホールディングス代表取締役社長の芝田浩二氏は、アジアと北米・欧州を結ぶ接続需要の取り込みを成長戦略の柱として位置付けている。その中核を担うのが、機能美を極めたこの新エリアだ。大理石調の床に外光が燦々と降り注ぐ開放的な吹き抜け構造は、かつての空港建築とは一線を画す静けさと洗練を醸し出している。